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適応障害はただの甘えなの?

「適応障害はただの甘えではないか?」現代社会一般では、そういう考え方をする人が、まだたくさんいるのが現状です。

社会人に例えていうなら、無断欠勤や遅刻・早退をしがちだという、一般社会では「問題行動」といわれるものが、適応障害の症状の一つだということが、偏見をもたらす原因になっていることは間違いないでしょう。

甘えではなく、「心の病気」

ストレスの多い状況下におかれると、不安や焦燥感などといった症状が現れるのに、そのストレスがなくなると、症状が次第におさまるといったことも「適応障害は甘えである」という偏見をもたらす一因になっています。

しかし、それは「甘え」ではありません。適応障害はれっきとした「心の病気」なのです。

私自身も「適応障害」と診断されたことがあります。仕事のことを考えると眠れなくなり、会社を休みがちになりました。結果的には退職ということになったのですが、周囲のサポートがあったら、もっと違う結果になっていたかもしれないと思うこともあります。

現在では、まだ適応障害というものが、どんな病気なのか理解されず、受け入れられていないという印象をうけます。「適応障害はただの甘えだ」と捉える人が多いことも事実です。ですから、周囲もただの「甘え」に理解とサポートが必要だなんて、考えもしません。

雅子さまも「適応障害」?

余談ですが、皇太子妃の雅子さまも「適応障害である」と発表されています。かなりのストレスを受け、それが原因で公務につけない状態になっているようですが、たとえば娘の愛子さまと一緒にいるところをテレビで報道されるときには、一見お元気そうにお見受けします。

それがまた「適応障害はただの甘えではないのか?」という偏見をまねく結果になっているのかしれません。しかし、原因となるストレスを取り除けば、適応障害の症状は次第に軽減されます。そういう病気であることが理解されていないことも適応障害が「甘え」であると言われる原因の一つです。

うつ病は近年では「心の病気」として広く認識されるようになりましたが、適応障害は、まだ「病気」という認識がされないことが多いのも現実です。

しかし、適応障害はれっきとした「心の病気」であり、治療が必要です。治療をきちんと続ければ、また社会生活に復帰することもできるでしょう。ただの「甘え」などではないのです。

適応障害であることを隠すケースが多い

適応障害をかかえながら、社会に出て生活している人も数多くいます。健康な人にくらべて、体調不良による欠勤や遅刻・早退が多くなったり、周囲の人たちから「変わってる人」「怠け者」と評価されてしまうことも多々あるかもしれません。安心して働くには、周囲の理解とサポートが必要不可欠です。

しかし、自分が「心の病気」をもっているということを、上司や周囲の人に打ち明けるのは勇気のいることです。現代では、以前よりは「心の病気」であることに対する理解は深まってきてはいるものの、実際に自分が「心の病気」をかかえている人と一緒に働くことには抵抗があるのも事実です。

では、もし自分が適応障害になってしまったら、どう対処しますか?周囲にそのことを打ち明けますか?それとも、適応障害であることを隠しますか?

残念ながら、今の社会では「適応障害であることを隠す」ことのほうが多いのではないでしょうか?それは、現代社会がまだ「心の病気」を受け入れ、理解を示し、サポートをするという環境が整っていないからです。

どうしたら、その状況を変えられるのでしょう。社会はどう変わればいいのでしょう。とても難しい問題です。どんな「心の病気」をもっていても安心して生活していける社会を作ること。それが私たちの今後の課題だと言えるでしょう。

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